記事詳細

【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】地球に存在した動物たちの楽園 南米大陸パンタナール湿原 (1/2ページ)

 最近は人の居住地域に熊や猪が出没し、動物が生息する里山との境界がなくなりつつあります。自然界には私たち人間が住みやすい場所もあれば、動物にとって住みやすい場所もあって、うまく共存できればいいのですが、現実的には難しいのかもしれません。

 しかし、地球上にはまだ動物たちにとっての楽園が存在しています。それは、南米大陸のほぼ中央に位置するパンタナール湿原です。パンタナールとはポルトガル語で「大湿原」を意味し、南米大陸中央部に降り注ぐ雨水の受け皿のような場所で、地球上に現存する最大の野生生態系の1つとされ、世界自然遺産に登録されています。

 このパンタナール湿原はブラジルを中心にパラグアイ、ボリビアの3国にまたがっており、その面積は、日本の本州とほぼ同じ23万平方キロメートルといわれています。パンタナールでは雨期と乾期があり、1年周期でゆるやかに水位が増減するため、数多くの種類の魚類が多数生息し、その魚が無数の鳥類や動物をひきつけて、地球上まれに見る生物の楽園を形成しているのです。

 特に乾期の間、パンタナールは「野生動物の楽園」となり、パンタナールのシンボルとも言える巨大な水鳥トゥユユやオニオオハシのような鳥類、水辺に生息するメガネカイマン(ワニ)やジャガーをはじめ、「水豚」とも呼ばれるカピバラなど多種多様の動物に出会うことができます。

関連ニュース