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【コロナ自粛で悪化する“要介護予備群”ロコモを撃退せよ!】通院妨げる「がんロコモ」の予防を 運動機能の低下でがん治療を中止せざるを得ない事態も (1/2ページ)

 コロナ自粛の運動不足は足腰を弱め、運動器障害による移動機能低下「ロコモティブシンドローム」を後押しすることを前回までに紹介した。それは、がんによるロコモ「がんロコモ」にも強い影響を与える。

 「そもそもがん患者さんは、がんに意識が向いてしまうため、運動機能の低下は後回しになりがちです。がんに関わる医師でさえ、運動機能を後回しにしています。コロナ禍の感染症予防が、その状況に拍車をかけているのです」

 こう指摘するのは、帝京大学医学部附属病院の河野博隆副院長(整形外科学講座主任教授)。2017年、日本整形外科学会「ロコモチャレンジ!推進協議会」に、「がんロコモ」ワーキンググループを発足し、国内の「がんロコモ」対策の陣頭指揮をとっている。

 「がん患者さんのがんロコモは、QOL(生活の質)を下げ、通院できないような運動機能の低下によって、がん治療を中止せざるを得ない事態も招きます。この状況は変えなければなりません」

 河野副院長らは、日本整形外科学会のプロジェクトの一環として、「がんロコモの実態調査」の研究に多施設共同で着手している。コロナ禍でプロジェクトは思うように進まなかったが、今年5月から9月、帝京大学医学部附属病院のがん患者126人に対して、ロコモ度テストなどで詳細に調べた。

 すると、がん患者の約95%がロコモであり、そのうち70%以上が、ロコモが進行した「ロコモ度2」であることが明らかになった。

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