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【マンガ探偵局がゆく】家が住む人を幸福にするマンガ “建築一家”親子三代の仕事を描く『匠三代』 (1/2ページ)

 今回の調査依頼では、比較的新しいマンガを取り上げることになった。

 「念願のマイホームを建てることになり、設計施工は小中学校の同級生が実家を継いでがんばっている工務店に頼もうと考えています。同級生のお父さんは腕のいい大工で、息子も子どもの頃から仕事を手伝い、大学で建築の勉強をして家業を継いだのです。ところが、妻は大手メーカーでないと安心できないと譲りません。このままでは夫婦の危機です。これを読ませたら妻も納得、というようなマンガはないでしょうか?」(45歳・会社員)

 自宅新築というおめでたいことが、夫婦の危機を招くのはまずい。というわけで、当探偵局の書庫を隅から隅まで探してみた。

 職業物のマンガはたくさんあるのだが、依頼人の希望に合いそうなものがなかなかない。ようやく見つかったのが、倉科遼/原作、佐藤智一/作画の『匠三代』だ。「ビッグコミックスペリオール」で2010年から13年にかけて連載され、単行本は11巻で完結している。

 舞台になるのは東京・深川。主人公は一級建築士の小野寺拓己。帝都大学工学部建築学科を首席で卒業後、世界的な建築家・白河賢三に師事したのち実家の小野寺工務店に戻ってきた。祖父の虎之助は名人と言われる大工。75歳のいまも現役の棟梁だ。父の玄は小野寺工務店の社長。手先が不器用で大工になるのを諦めたが、営業や施工管理に才能を発揮。小野寺工務店のモットーは「最後まで手を抜かない。施主の人生のため、トコトンこだわっていい家をつくる」こと。これらの設定は依頼人の同級生と似ているように思う。

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