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【ここまで進んだ最新治療】「超音波治療」でアルツハイマー病改善 第2部の治験進行中 (1/2ページ)

 認知症の原因の約7割を占めるアルツハイマー病。加齢に伴い脳に「アミロイドβ」というタンパク質が異常に溜まり、神経細胞が壊れていき認知機能が低下し、認知症を発症すると考えられている。現在、国内では4種類のアルツハイマー病(AD)の治療薬が承認されているが、どれも症状の進行を遅らせる薬でしかない。

 一方で、薬ではなく「超音波」を使ってADの改善を目指す治験が東北大学のグループによって進められている。この治療法は「低出力パルス波超音波治療」(以下、超音波治療)と呼ばれ、安全性を確認する第1部の治験(患者5人)は終了し、現在40人の患者を対象に有効性をみる第2部の治験が進行している。

 超音波を使った認知症治療の試みは世界でも類をみないが、どうして効果が期待できるのか。代表研究者で東北大学客員教授と国際医療福祉大学大学院副大学院長を務める下川宏明教授が説明する。

 「ADはアミロイドβの蓄積が脳に何らかの悪影響を及ぼしているのは間違いないとしても、それは氷山の一角にすぎないと考えています。私の考えは、ADの真の原因は『脳の微小循環障害』であり、それによって起こる慢性炎症が長引くことで、結果としてアミロイドβなどの異常タンパクが蓄積するという考えです」

 脳の微小循環障害とは、脳の微小血管の血流が悪いということ。それをある特殊な超音波を照射して血管を新生・拡張させて血流を増やすことで、認知症を改善させようというのが超音波治療だ。つまり、認知症を脳の神経の病気ではなく、脳の血管の病気としてアプローチしているのだ。

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