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【「コロナ不安」に殺されないために】PCR検査でメンタルをやられる人が増える 「陽性」で10日間隔離される弊害 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスよりたちが悪いのは、感染しても症状が出ない人がほとんどということだろう。こうした無症状感染者が感染を拡大させているのは確かだ。

 そのため、無症状感染者を発見して早急に隔離する。つまり、徹底してPCR検査を増やして、感染者を早期発見する必要性が提唱されてきた。「Go To トラベル」を続けるなら、PCR検査をして「陰性証明」を義務付けたらどうかという意見もある。

 しかし、精神科医として言わせてもらうと、今の制度では、PCR検査を徹底すると弊害のほうが大きい。というのは、これで陽性となると、症状がなくとも最低10日間は自宅やホテルでの療養になってしまうからだ。同じ部屋に居続けることは大変な負担だ。場合によってはコロナ感染より恐ろしいことが起こる。つまり、メンタルがやられてしまう可能性がある。

 じつは、そんな患者さんがいた。この40代男性サラリーマンはもともと適応障害で、とくに「閉所恐怖症」と呼ばれる症状があった。そのためPCRで陽性となってホテル療養を余儀なくされて、症状が悪化した。めまいや吐き気、手足のしびれなどを盛んに訴えるようになった。

 しかし、これらは、コロナの症状ではない。なぜなら、この男性は2回目の検査では陰性だったからだ。

 閉所恐怖症の人はけっこういる。狭いところが苦手で、エレベーターなどの狭い閉鎖空間を恐れる。また、「乗り物恐怖症」の人も、一種の閉所恐怖症である。このような人がコロナにかかった場合のガイドラインなどもちろんない。また、健康な人でも、狭い空間に10日間も閉じ込められれば、適応障害やパニック障害を起こす。

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