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見かけは認知症だけど…コロナ禍の高齢者うつ病に気付いて 専門家に聞くアルツハイマー病と仮性認知症の違い (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染症の流行で交流が乏しくなることで、うつ病患者が増えている。特に、コロナ重症化のリスクが高いとされる65歳以上の高齢者は外出を控えているだけに心配だ。高齢者のうつ病は認知症との判別が難しく、発見や治療が遅れがちだが、早く気付くにはどうしたら良いか。専門家に聞いた。

 「若い人のうつ病では悲哀感や無気力、考えることのおっくうさが特徴的だが、高齢者は体の不調と心の症状が合わせて現れる場合が多い」。日本老年精神医学会評議員で国立長寿医療研究センター精神科の安野史彦部長は、そう解説する。

 体のあちこちが痛む、めまいや立ちくらみがある、食欲が落ちたり吐き気がしたりする、多量の汗をかく-などだ。同時に、不安やいらだちの感情が高まるなど精神的に不安定になる。「心身の症状が互いに強め合うことになる」と安野氏。

 高齢者では持病を抱えていることも多く、症状からうつ病を見つけることは難しい。特に、認知症状と見分けることは容易ではない。うつ病なのに見かけ上、認知症のような症状が出る「仮性認知症」が知られている。

 代表的な認知症であるアルツハイマー病と仮性認知症とでは、次のような症状の違いがある。

 一つは、物忘れに対する態度だ。認知症の診断ガイドラインによると、アルツハイマー病の患者は物忘れをしたこと自体を認めず、取り繕おうとする。一方、うつ病では忘れることが気になり、心配になる傾向がある。

 医師の問診にすぐ「分かりません」と回答を諦めてしまうのも典型的な仮性認知症の特徴。うつ病患者に共通する、考えるのがおっくうになる症状のためだ。発症の経緯にも違いが見られる。

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