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【BOOK】神君でもタヌキおやじでもない徳川家康! 通説覆す「味わい深い男」描いた“安部史観”の集大成 安部龍太郎さん『家康』 (1/3ページ)

 テレビの歴史番組でも見かける、まーるいお顔。自作で既存の戦国時代史観に“殴り込み”をかけてきた安部龍太郎さんだ。集大成とも言うべき戦国大河小説『家康』では従来のイメージをすべて、ひっくり返してみせる! (文・南勇樹 写真・酒巻俊介)

 

 --最近、安部さんが主張する戦国時代史観に裏打ちされたNHKの歴史番組などをよく見かける

 「やっと、ですよ。これまでの学説や教科書で習う戦国時代史には、外国からの視点が欠けていました。大航海時代に入って日本も初めてヨーロッパと出合う。南蛮貿易によって鉄砲や(弾の原料である)鉛などが輸入され、それを手にした戦国大名が覇権を握る。ポルトガル、スペインはキリスト教の宣教師を先兵にして貿易によって各大名に接近を図り、いずれは日本の征服まで狙っていた…。僕が20年も前から主張してきたことです。学生時代に僕の本を読んだ人がテレビ局のディレクターになって、こうした番組をつくるようになったのでしょう」

 --「安部史観」の集大成となるのが『家康』だと

 「徳川家康は、数えの19歳で戦った『桶狭間の戦い』(1560年)から、豊臣家を滅ぼして戦国時代に終止符を打った『大坂夏の陣』(1615年)まで、戦国期の主要な戦いにほとんど関わっている稀有な武将です。織田信長、豊臣秀吉に仕えつつ、独自の国家観に基づいて江戸幕府を開く。家康を描くことによって、戦国時代の本当の姿が分かります」

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