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【ここまで進んだ最新治療】保険適用となった! 光でがん細胞だけを破壊する「がん光免疫療法」 (1/2ページ)

 米国立衛生研究所(NIH)の主任研究員である小林久隆医師が考案した「がん光免疫療法」が、世界に先駆けて日本で承認され、昨年11月に保険適用になった。外科治療、抗がん剤治療、放射線治療、免疫治療薬に続く、「第5のがん治療法」として注目されている。

 今年から臨床現場での実施がスタートする見込みだが、どんな治療法で、どの程度の効果があるのか。国内の臨床試験を担当してきた国立がん研究センター東病院・頭頸部内科の田原信科長が説明する。

 「まず患者さんに『アキャルックス』という薬剤を点滴投与します。すると薬剤は、がん細胞だけに結合します。そして、24時間後に専用機器を使って、がんの部分に近赤外線を照射すると化学反応を起こして、がん細胞だけが破壊されるのです。治療効果は速く、30分後にはがん細胞は壊死し、1週間後くらいには死滅したがんの塊がはがれ落ちます」

 アキャルックスは、「抗体」と「光感受性物質」の複合体。抗体の作用によって、がん細胞表面に出現している「EGFR」というタンパク質(抗原)と結合する。そして、近赤外線に反応して、がん細胞を破壊するのは光感受性物質の作用だ。

 近赤外線はテレビのリモコンなどに使われている光で、手をかざしても熱くもなく、人体には無害。この光を体の表面にあるがんには外部から照射し、体の深部にあるがんには光ファイバーを差し込んで照射する。照射時間は5分ほどだ。

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