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【ドクター和のニッポン臨終図巻】落語家・林家こん平さん 夢と笑いが最高の治療法 多発性硬化症で長年闘病 (2/2ページ)

 こん平さんは04年に声が出なくなり入院。1966年の放送開始以来、ほぼ無休で出演していた『笑点』を泣く泣く休業。そして翌年の2005年に多発性硬化症との診断を受けました。もう2度と「チャラーン」が聞けないのかとファンを悲しませましたが、その後、病状を隠すことなく得意の卓球をするところや、リハビリの様子をテレビで紹介したり、講演会活動などで多発性硬化症の理解を広げるとともに、同じ病気の方々を元気づけました。10年には『チャランポラン闘病記』(講談社)という本まで出版されています。しかし13年には、糖尿病が悪化。壊死(えし)した左足の指を切断。心肺停止から一命をとりとめました。

 そんな中、こん平さんは、昨年開催されるはずであった東京パラリンピックの応援大使に任命。「1、2、3、パラーン」という新ネタも披露しました。

 長い長い闘病を支えたものは、ご家族の献身的な介護と『笑点』への復帰、パラリンピック出場の夢。そして持ち前の明るさだったのでしょう。夢と笑いを絶やさず生きることは、最高の治療法なのです。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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