記事詳細

【ここまできた男性不妊治療】「男性不妊」の原因の精査、不十分なケースも 生殖医療専門医のいる施設を夫婦一緒に受診するのがベスト (2/2ページ)

 男性の精液を女性が医療機関に持ち込むということは、女性が婦人科を再診する日に男性が仕事に出勤する前に専用の容器にフレッシュな精液を射精してもらい、それを女性が婦人科に持ち込むことになる。

 それも女性と男性に妊活に取り組む姿勢に温度差があると、男性側には抵抗感がある。できれば婦人科と泌尿器科を併設する不妊症専門施設を夫婦で一緒に受診するのが理想だが、現状ではそうにもいかない。

 「できれば男性不妊を専門とする泌尿器科医(生殖医療専門医)のいる施設を夫婦一緒に受診するのがベストですが、泌尿器科の生殖医療専門医は非常に少なく、婦人科をメインとする施設にはほとんどいません。男性不妊外来を設ける婦人科施設でも、非常勤で在籍していることが多いので、同じ日に夫婦一緒に診察を受けられるとは限りません。ですから同じ施設にこだわらなくていいと思います」

 日本生殖医学会が認定する泌尿器科の生殖医療専門医は、全国に65人(2020年4月1日現在)しかいないのが現状だ。また、精液を採取する個室(採精室)を備えた施設を選んだ方がいい。持ち込みの精液は「時間」「温度」「光」などの影響で精子の質が落ちる場合があるという。(取材・新井貴)

 ■永尾光一(ながお・こういち) 1960年生まれ。昭和大学で形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。両方の診療部長を経験し、二つの基本領域専門医を取得。2007年東邦大学医学部准教授(泌尿器科学講座)、09年現職。日本性機能学会理事長。日本生殖医学会副理事長。日本メンズヘルス医学会理事。NPO法人男性不妊ドクターズ理事長など。

関連ニュース