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【BOOK】横浜の老娼婦・ハマのメリーさんの冷たい手から「私を忘れないで」 メッセージ伝え続けて四半世紀 五大路子さん『Rosa 横浜ローザ、25年目の手紙』 (3/3ページ)

 --昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で公演が中止になりました

 「無念でした。でもその代わり、『五大路子・横浜夢座』のチャンネル名で動画サイト『ユーチューブ』での配信を始めました。この本も出版できました。昨秋にはリモートで横浜国立大学の学生と対話もしました。ローザという一人の人間に託した、残酷な時代を生きた女たちの思いに若者が興味を持ってくれ、うれしかったです。これからも自分の中にあふれてくる思いをいろいろな方法で表現していきたいです」

 ■『Rosa 横浜ローザ、25年目の手紙』有隣堂1500円+税

 「ハマのメリーさん」は戦後、横浜の街角に立ち続けた娼婦。歌舞伎の隈取のような太いアイラインを引き、老いても白いドレス姿で、主に伊勢佐木町や馬車道などに現れた。1991年、彼女を見かけた著者は横浜を舞台に彼女をモデルにした芝居を作ろうと決意。敗戦後の過酷な状況を生き抜いた娼婦の物語「横浜ローザ」が96年に誕生した。本書は初演から25周年を記念し、メリーさんとの出会いや米国ニューヨーク公演の成功、著者が座長を務める劇団『横浜夢座』の旗揚げなどについて綴る。

 ■五大路子(ごだい・みちこ) 女優。1952年、横浜市出身。桐朋学園大学短期大学部(現桐朋学園芸術短期大学)で学び、早稲田小劇場を経て新国劇へ。77年、NHK朝の連続テレビ小説「いちばん星」でテレビドラマデビュー。99年、横浜の歴史や人にスポットを当てたオリジナル作品を上演する「横浜夢座」を旗揚げ。主な作品にテレビ「独眼竜政宗」「蝉しぐれ」、映画「DEATH NOTE」「プライド」、舞台「三銃士」「大菩薩峠」など。2008年松尾芸能賞演劇優秀賞、11年長谷川伸賞。12年横浜文化賞、15年神奈川文化賞、18年東久邇宮文化褒賞受賞。

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