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【医療 新世紀】プロからアマまで、演奏家の「耳を守る」 一人一人に合わせた耳栓など「ミュージシャン外来」登場 (1/2ページ)

 聴力のトラブルのせいで音楽の演奏を続けることができない-。プロからアマチュアまで演奏家の悩みに応える「ミュージシャン外来」が、宮城県利府町にある仙塩利府病院に開設された。特殊な耳栓などを使って「耳を守る」治療に取り組むのが、同病院の耳科手術センター長を務める小林俊光・東北大名誉教授だ。

 ▽ニュアンス

 仙台市に住むピアニストの10代男性は以前から左耳に違和感があったが「ごわんごわん」と耳鳴りするようになった。

 大きな音がするとびっくりするほど頭に響く。均質な音が続くバッハの曲は弾けるが、音量がダイナミックに変化するショパンの曲は弾くことができない。

 「音を伝える耳の中の骨が硬くなって音量が調節できないのではないか」。こう考えた小林さんは、一人一人の耳の形に合わせて作る「ミュージシャン耳栓」を使うことを勧めた。繊細な音のニュアンスを損なわずに音圧を下げることができる。男性は再び演奏を続けられるようになった。

 ▽音響の肥大化

 海外ではこの問題の認知度は高い。注目を集めたのが、ビオラ奏者が英国のロイヤル・オペラ・ハウスを相手に2016年に起こした訴訟だ。ワーグナーの曲をリハーサル中、背後にいた金管楽器の音で難聴になったと主張し、19年に勝訴した。

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