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【医療 新世紀】プロからアマまで、演奏家の「耳を守る」 一人一人に合わせた耳栓など「ミュージシャン外来」登場 (2/2ページ)

 小林さんは20年4月に国内では初めてとなるミュージシャン外来を開設。きっかけは、ウェブ批評誌「メルキュール・デザール」を主宰する音楽評論家の丘山万里子さんの呼び掛けだった。

 丘山さんは演奏家が巨大な音響にさらされることで生じる騒音性難聴の問題に警鐘を鳴らしてきた。「日本のオーケストラは演奏家がそうした状況に置かれている認識に欠けている。本人が耳のトラブルに気づいても周囲に言い出しにくい状況にある」と指摘する。

 東京都交響楽団が耳栓の試用を始めるなど一部に前向きな動きもある。「ただオーケストラの音響はどんどん“肥大化”している。このままでは演奏家の耳が、音楽が壊れてしまう」と丘山さんは懸念する。

 ▽かくれ難聴

 大音量による耳への影響はさまざまだ。小林さんが注目するのが演奏家の「かくれ難聴」だ。米チームの研究で、音楽専攻の学生は一般の学生に比べ、周波数8キロヘルツを超える高い音を聞き取りにくいことが分かった。大きな音で毎日練習を続けているのが原因の可能性がある。

 「難聴が進むと内耳にあって音を感じる『有毛細胞』が死んでしまうが、かくれ難聴はその手前の段階。有毛細胞の根元にある神経シナプスが音によるストレスで弱っていると考えられる」と小林さんは話す。

 小林さんの病院では高い周波数に対応した特殊な聴力検査装置を備える。かくれ難聴を早期発見して耳栓などで防御し、進行を防ぐ狙いだ。

 小林さんは「全国の耳鼻科が演奏家の“耳の悩み”に対応できるようになれば」と語る。

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