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【BOOK】「体の性と心の性がずれているのが性同一性障害」は大雑把な定義 人が真実に至る妨げだと思う 赤坂真理さん『愛と性と存在のはなし』 (3/3ページ)

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 「ピアノ、ダンス、瞑想。本書を書いていた昨夏は、息詰まるとショパンの『英雄ポロネーズ』を大音量でかけて、めちゃくちゃ踊ってからっぽになるということをしていました。ショパンって民謡っぽいので、私はど根性が出てくるんですよ」

 ■『愛と性と存在のはなし』NHK出版新書・850円+税

 性的多様性が叫ばれて久しい。しかし、セクシュアリティとジェンダーをめぐる言説は今、人を対立、分断させている。よく言われる「LGBTQをはじめとする性的マイノリティーの多様性を認めよう」ではなく、「そもそも性的マジョリティーなど存在しない」という立場から性をめぐる言説を見直すと、この社会の本当の生きづらさが見えてくる。草食男子、#MeToo運動、セクハラ、DVなど、既存の用語ではすくいきれない人間存在の姿を、作者自身の生の探求を通して描き出す。

 ■赤坂真理(あかさか・まり) 1964年東京都生まれ。慶応大学法学部卒業。編集者を経て95年『起爆者』で小説家に。2000年『ミューズ』で第22回野間文芸新人賞。12年、天皇の戦争責任をアメリカで問われる少女を通して戦後を描いた『東京プリズン』で第66回毎日出版文化賞、第16回司馬遼太郎賞、13年同作で第23回紫式部文学賞受賞。他の著書に『ヴァイブレータ』『愛と暴力の戦後とその後』『箱の中の天皇』など。

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