【脳梗塞 徹底予防と最新治療】生活習慣病との関係が深い3つの脳梗塞 急な冷え込み発端、特に動脈硬化の人は注意 (1/3ページ) 「脳」をまもろう
コロナ自粛により一日中暖かい部屋で過ごしていると、寒さを忘れそうになることがある。だが、朝起きたときの洗面所やトイレ、外出したときなど、急な冷え込みに襲われたとき起こりやすいのが脳梗塞だ。
「寒い場所へ薄着の状態で行くと、血圧が急上昇します。それに起因して脳梗塞を起こすことがあるのです。特に動脈硬化が進んでいる方は、上着の着脱などで寒暖差に気をつけましょう」
こう話すのは、日本医科大学神経内科学分野の木村和美大学院教授。数多くの脳梗塞の診断・治療を行っている。
「動脈硬化は加齢でも進みますが、それを後押しするのが生活習慣病です。昨年来のコロナ自粛で、体重が増えた方、血圧や血糖値などのコントロールが上手く行っていない方は、脳梗塞予防も心掛けてください」
動脈硬化は、血管が硬く変性した状態で、血管壁に脂質などで生じたアテローム(粥状硬化)というコブに血栓ができ、脳の血管が詰まると脳梗塞になる。
脳梗塞の血栓は、脳の血管だけに生じるわけではない。
「よくあるのは、首の頸動脈(けいどうみゃく)にできた血栓が脳の血管に流れて、詰まるケースです。患者さんの首に聴診器を当てると、血管のアテロームによる狭窄(きょうさく)で、ザーザーと雑音が聞こえるのですぐにわかります」