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【マンガ探偵局がゆく】二大レジェンドのコラボ ライバル誕生前夜を想像させる「黄金都市」 (1/2ページ)

 今回の依頼は今は亡きマンガ界のレジェンドふたりによるコラボ作品の探索だ。

 「最近、新しいマンガを読まなくなりました。息子に薦められて試しに話題の『鬼滅の刃』を読んだのですが、2巻でリタイア。これも老化現象なんでしょうね。それはさておき、探してほしいのは、手塚治虫・原作、横山光輝・作画のマンガです。われわれにとってはライバル関係のおふたりなので、まさかとは思うのですが、先日久しぶりに長電話した学生時代の友人が自信満々で“あったはず”と言うものですから」(59歳・公務員)

 依頼人の子供時代にも手塚治虫『鉄腕アトム』派と横山光輝『鉄人28号』派があったのだろうか。探偵局長の小学校では、ストーリーのわかりやすさや、展開の面白さ、キャラのスマートさでやや鉄人派優勢だった。

 さて依頼の手塚治虫と横山光輝のコラボ作品は、光文社の月刊誌『少年』1955年5月号で別冊付録になった短編集『黄金都市』だ。収録されているのは表題作のほかに「ターザンの洞窟」「海流発電」。いずれも昭和20年代の大阪で発行されていた児童雑誌に手塚が発表した短編を横山がリメークしたものだ。

 横山光輝は神戸市立須磨高校在学中の51年に描いた4ページの短編「畠の宝」が月刊誌『漫画少年』に掲載されて、これが実質的なデビュー作。その後、さまざまな月刊誌に短編を発表したのち、55年に長編『音無しの剣』を大阪の東光堂から出版して本格的なマンガ家生活に入った。東光堂は手塚治虫の初期作品の半数以上を手がけており、東光堂の社長から見せられた横山の原稿に感心したことを手塚は自伝に書いている。

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