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【ドクター和のニッポン臨終図巻】演出家・鴨下信一さん 教訓にしたい「戦後は不公平」との言葉 「ふぞろいの林檎たち」など手掛けた名作ドラマ多数 (2/2ページ)

 死因の記載というのは、状況によって幅があるものです。がんを患っておられても、直接の死因が肺炎であれば、肺炎と書くこともあります。ただし、最近はコロナ禍の影響で、「肺炎と書かれるとコロナだと誤解する人がいるので、肺炎以外の病名で書いてください」とお願いされるケースもあります。

 当たり前ですが、死因を気にするのは、いつだって家族や関係者です。亡くなられたご本人は、自分の死因など、まさに「知らんがな」の世界でしょう。

 鴨下さんの著書『誰も「戦後」を覚えていない』(文春新書)を読みました。お父上はシベリア抑留者であり、ご本人も戦後の混乱を生きられた。鴨下さんがあの時代を思い出す時、「不公平」という言葉が浮かぶそうです。生死を分けたことも不公平。戦争で儲けた人、人生台無しになった人、生き残った者の罪悪感も含め、不公平だったと…。そんな時代を繰り返さぬよう、「ふぞろい」世代の僕達には、一体何ができるでしょうか。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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