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【ここまで進んだ最新治療】膵臓がんに威力を発揮する放射線治療装置 「MRリニアック」 (1/2ページ)

 国内の数施設で「MRリニアックシステム」という新しい放射線治療装置(ユニティ)の導入が進められている。この装置は、高磁場のMRI装置とX線発生装置である直線加速器(リニアック)を一体化させたもの。高精細のMRI画像で、がんの位置を確認しながら、ピンポイントで放射線を照射できるのが特徴だ。

 通常の放射線治療では、事前にCTでがんの位置を確認し、照射する位置や範囲、線量などの治療計画を立てる。MRリニアックシステムには、どんなメリットがあるのか。来年からユニティを使った治療を開始する予定の「江戸川病院」(東京都江戸川区)・放射線科の浜幸寛部長が説明する。

 「まずは治療のたびに断層画像を得る際の被ばくがないので、二次がんや晩期後遺症などのリスクが減る可能性があります。それにCTと比べてコントラストに優れているので、子宮頸がんなど軟部組織のがんでも正確に照射することができます。また、従来の放射線治療は呼吸で動く臓器のがんでは、照射中にがんの位置がずれたり、照射している部分に正常組織が入る危険性がありました。その心配が軽減されます」

 MRリニアックシステムでは、治療直前や治療中の断層画像をリアルタイムで撮影し、動画として臓器の動きを監視する。がんの位置がずれたりした場合には、状況に応じて放射線のビームを瞬時にオン・オフすることができるのだ。つまり、「動く臓器」でも「動かない臓器」と同等の位置精度で治療できるという。

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