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文豪ゆかりの老舗や大正建築 東京・文京区千駄木を歩く (1/2ページ)

 森鴎外が暮らしたことで知られる東京都文京区千駄木(せんだぎ)。文豪ゆかりの老舗や、大正建築が今も残り、世界の昆虫と出合えるミュージアムもある。見どころにあふれる街を散策した。

 東京メトロ千代田線の千駄木駅近くの団子坂には幕末から明治にかけて、歌舞伎や昔話を題材にした菊人形の見せ物小屋が並んだ。不忍通りを挟んで同坂の反対側に「菊見せんべい総本店」が見える。風情あるたたずまいの店で、1875年創業という。

 「当時、(見せ物小屋は)『菊見に行く』と言われるほど人気。初代が『見物客に手土産を』と店を始めた」と5代目店主の天野善之さん。鴎外は作品の構想を練るときや文学談議の際、同店のせんべいを食べていたとの言い伝えが残る。

 マンションや飲食店が並ぶ同坂を上がり、旧安田楠雄邸庭園へ。遊園地「としまえん」(昨年8月に閉園)の創設者で、実業家の藤田好三郎が1919年に建て、関東大震災や空襲による被災を免れた近代和風建築だ。

 1階の洋風の応接室にはソファや蓄音機が置かれ、大正期の“セレブ”の暮らしぶりがうかがえる。2階の書院造りの客間から緑豊かな庭園を見渡せ、心地が良い。

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