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【ここまで進んだ最新治療】術後合併症が少ない食道がんの「縦隔鏡手術」 胸壁や肺に触れずに患部を切除 (1/2ページ)

 切除可能な進行食道がんの標準治療は、抗がん剤治療後に手術(術前化学療法)を行う。食道の大部分と周囲のリンパ節を切除し、胃を食道の代わりに管状に再建してつなぎ合わせる難易度の高い手術になる。

 食道は胸の背中側にあり、周囲を肺や気道、大動脈、心臓などの重要な臓器に囲まれている。そのため従来行われてきた「開胸手術」は、右胸、腹部、首をそれぞれ10センチ以上切開し、右肺をしぼませて食道にアプローチする。肋骨(ろっこつ)を切断する場合もあるので、体への負担(侵襲)が大きく、術後の肺炎や呼吸機能低下などの合併症が起こりやすい。

 近年は「胸腔鏡・腹腔鏡手術」で行うケースが増えていて、開胸手術より傷が小さく侵襲は少ないが、右肺をしぼませることは変わりない。それが肺へのダメージや合併症を減らすことのできる「縦隔(じゅうかく)鏡手術」が2018年に保険適用になった。

 どんな手術なのか。13年から縦隔鏡手術を行っている京都府立医科大学附属病院・消化器外科の藤原斉(ひとし)准教授が説明する。

 「縦隔鏡手術は、肺と肺の間にある『縦隔』という部分に内視鏡を操作するスペースを作ります。首と腹部の切開部から、トンネルを開通させるようして、食道やリンパ節を切除して取り出します。ですから、胸壁や肺を触ることなく手術することができるのです」

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