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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】コロナ禍で懸念される医学教育の崩壊 医学生、看護学生「実習難民」に?

 新型コロナウイルスの流行が続いています。医療崩壊が話題となっていますが、医療の世界ではもう一つの心配があります。それは医師や看護師を目指す医学生や看護学生に対する医学教育の崩壊です。

 新型コロナウイルスの流行が急拡大した昨年4月頃から、多くの大学でリモート授業が行われるようになりました。こうした流れは医学部でも例外ではなく、対面授業からリモート授業に切り替わりました。

 講義はリモート授業でもできますが、医学部のカリキュラムのなかでとても大切な病棟や外来という生の現場を回って患者さんに接する臨床実習はリモートではできません。そうしたなかで200人の医学生を対象に行った調査では、臨床実習で制限されたこととして「患者への問診」という回答が70%を超えました。

 文科省は臨床実習が中止されても必要な単位をとっていれば医師国家試験の受験を認めるようですから、このままではほとんど問診を経験したことのない実習難民の医師が増えてしまうことになります。

 こうした実習難民という問題は医師だけでなく、看護師を養成する大学の看護学部や専門学校でも起きています。日本看護学校協議会の調査によると、全国の看護学校316校のうちの90%が病院実習を拒否されています。

 看護師にとって入院患者のケアはとても重要な仕事です。病院実習を経験しないということは、そうした入院患者のケアというスキルを十分に身につけていない新人の看護師が増えることになります。

 こうした医学生や看護学生の実習難民という問題を解決するには、一刻も早く新型コロナウイルスの流行が終息する必要がありますが、この4月以後も現在の状況が続くなら、何らかの解決法を考えなくてはならないと思われます。

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