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【医療 新世紀】がん患者の体重を管理 自宅で無理なく続けられる「下肢筋力トレーニング」 (2/2ページ)

 ▽相乗効果

 患者がリスクをあまり気に掛けていない側面もありそうだ。食欲不振や体重減少を心配する度合いは、患者本人より家族の方が高かったとのアンケート結果がある。

 高山さんはがん患者の食欲を増進させる薬「アナモレリン」を小野薬品と開発した。ただ、薬だけでは筋肉の減少を防ぐことができないことも分かってきた。

 そこで静岡がんセンター呼吸器内科の内藤立暁医長らと共同で進めているのが「NEXTAC(ネクスタック)臨床試験」。食事と運動の相乗効果で最初に低下しがちな下肢筋力の維持を狙う。

 2016年に実施した第1段階試験では、体重や身体機能が維持され、運動量も増えることを確認。第2段階試験では、食事や運動のアドバイスを受けた人と受けなかった人で効果を比較している。

 ▽無理なく継続

 欧米では、ジムなどで運動器具を使って行う患者向けトレーニングもある。ただ、日本のお年寄りのがん患者には厳しい。高山さんは「自宅で無理なく続けられるように負荷を減らす工夫をした」と説明する。

 下肢筋力トレーニングの例はこうだ。いすに座った状態から立ち上がる。座った状態で片脚を伸ばしたり、片膝を上げたりする。いすにつかまって片脚を横に上げる。

 食事は管理栄養士が、運動は理学療法士が患者ごとにアドバイスし、どうやって続けてもらうかが課題という。高齢者のフレイル(虚弱)防止にも役立つ可能性がある。「トレーニングそのものは誰にでも有効。将来は一般の高齢者を対象にした試験も考えている」と高山さんは話す。

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