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【BOOK】週刊文春の“黄金期”を作った2人の天才編集長 柳澤健さん『2016年の週刊文春』 (1/3ページ)

 官僚や政治家の高額接待問題など超ド級のスクープ連発で、今や世の中を動かしている感さえある「文春砲」。独り勝ちの舞台裏を文春出身の柳澤健さんが綴る。そこには、スクープが生み出す「ネット時代の新たなビジネスモデル」があった。文・梓勇生 写真・三尾郁恵

 ■取材費「ほぼ無限」

 --主人公の1人が週刊文春の名物編集長だった花田紀凱さん(現「月刊Hanada」編集長、夕刊フジでコラム「天下の暴言+」連載中)

 「僕も週刊文春編集部にいましたが、花田さんの下で仕事をすると、とにかくメチャクチャ面白いし、楽しいわけですよ。文春の社風自体も明るいけど、花田さんの周りはバカ明るい。何十年も見上げていた『週刊新潮』の部数を抜いて『週刊文春』の歴代最高を記録したのも花田さんの時代。取材費は『ほぼ無限』でした(笑)。花田さんは、80歳に近づいた今も『現場』にこだわり、雑誌を作ることにしか関心がない。凄いですよ」

 ■デジタルで勝負

 --もう1人の主人公が、「今」を築いた新谷学さん(現『週刊文春』編集局長)

 「花田さんの時代とは違って、紙メディア全体が長期低落傾向に歯止めがかからず、『週刊文春』も苦戦していた。ところが、2016年にスクープを連発して“文春砲”という形で世間に認知された。その時、新谷編集長は、文春砲のブランド力を使って、デジタルで勝負しようと考えた。いま、文春オンラインは4億PV以上を稼ぎ出しています。紙のほかにデジタルで収益を得ようなんて新谷くんのほかに誰も考えていなかったから、文春社内には猛反発があったけど、『俺が責任をとるから』と強引に押し切ってデジタルに舵を切り、数字で反対派を黙らせた。豪腕のリーダーがいたことは、文春にとって幸いでした」

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