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【BOOK】週刊文春の“黄金期”を作った2人の天才編集長 柳澤健さん『2016年の週刊文春』 (2/3ページ)

 --その節目になったのがタイトルにもなっている2016年。今やスクープが“売れる”コンテンツとなって稼いでいる

 「そうですね。ただ、現状ではまだ『紙』の落ち込みを完全にカバーできるまでには至っていないでしょうけど。(新谷氏も)花田さんと同様、常に関心があるのは今の現場であり、『次』なんですよ。新谷くんが作り上げたビジネスモデルは、新聞や雑誌関係者の注目を集めていると思います」

 --スクープは「訴訟リスク」と隣り合わせ。それを恐れてスクープ路線を捨てたメディアも

 「これまでに言論の自由を無視するような常識ではありえないような判決が出されたり、(敗訴した場合の)賠償金の額も高騰する傾向にあります。では、スクープを狙いつつ、訴訟リスクを避けるにはどうすればいいのか? それは訴訟になっても負けない取材をすることに尽きる。証言だけに頼るのではなく、写真や映像や文書などの『動かぬ証拠』をしっかり押さえておく。最近の『週刊文春』はどんどん隙がなくなっていると思います」

 --本書は文春史にもなっている。金脈研究で当時の田中角栄首相を退陣に追い込んだのは『月刊文藝春秋』だった

 「(当時の編集長で後に社長を務めた)田中健五さんは、花田さんと似たタイプ。抜群に仕事ができて、日本の最高権力者と対決することを恐れない。有名な立花隆さんの『田中角栄研究』の時には健五さんは『正義感ではなくて好奇心から』という名言を吐きましたが、『日本のメディアのダメさ加減』に抗したかったのだと思う。新聞・テレビはずっと雑誌を見下してきましたが、健五さんの中には反骨精神やプライドもあったと思います」

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