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【ここまで進んだ最新治療】根治性高い脳動脈瘤の「フローダイバーター留置術」 保険適用拡大で再発少ない治療が可能に (2/2ページ)

 フローダイバーターが適応となるのは、当初は内頚(ないけい)動脈にできた大型(10ミリ以上)の動脈瘤、または巨大(25ミリ以上)かつコブの入口が4ミリ以上(ワイドネック)の脳動脈瘤に限られていた。それは、これらの脳動脈瘤は通常のクリッピング術やコイル塞栓術では治療が難しかったからだ。根治するにはバイパス手術を併用しながら血管を閉塞するなど、大がかりな外科手術が必要だった。

 それが安全性や有効性が十分に認められたことから、2020年9月には内頚動脈の近位(手前部分)と椎骨動脈にできた5ミリ以上のワイドネックの動脈瘤に対しても治療適応が拡大されている。

 「これまで大型や巨大動脈瘤の治療には大がかりな外科手術が必要であり、破裂率が高いにも関わらず経過観察をしているケースもありました。それが根治性が高く、再発が少ない低侵襲のカテーテル治療が可能になったのです」

 フローダイバーターを使った治療の動脈瘤の閉塞率は、治療後半年で75%、1年後で85%、5年後で95%になる。ただし、クリッピング術やコイル閉塞術と比べたデメリットは、血栓予防のために治療後2~3年は血液をサラサラにする抗血小板薬を服用する必要があることだという。

 フローダイバーター治療は医師の高い技術力が求められるので、現在、実施できる認定された医療機関は全国約70施設に限られる。 (新井貴)

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