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【BOOK】コロナ禍を触媒にして強いリーダーが現れる アメリカ依存が崩れ…国民は独裁者を渇望する 牛島信さん『身捨つるほどの祖国はありや』 (1/3ページ)

 安倍政権が終焉を迎え、新しい総理が生まれた。同時に、未曽有の国難ともいえるコロナ禍が世界を覆っている。この国はどこへ向かっているのか。名うての国際弁護士で作家でもある牛島信氏が、過去7年間にわたって見つめてきた日本と企業への熱い思いが、1冊のエッセー集としてまとまった。 文・たからしげる(写真提供・牛島信氏)

 ■タイトルは寺山修司の歌

 --本書にこのタイトルがついた経緯は

 「これは反語です。祖国はもちろん、あると思っています。初め、漠然と故郷へ還(かえ)るというイメージがありました。ユートピアですね。そこで、自分にとって故郷とは何だろうと考えたら、日本だと思いました。ふだん国際的な仕事をしているので、そう感じたのでしょう。そのとき、寺山修司の歌のこの一節を思い出したのです」

 --いま、祖国を、日本を改めて考えなくてはならない時代になっているのですね

 「はい。2010年に、日本はGDPで中国に抜かれました。戦後、アメリカだけを見て依存していた日本は、別の力に向き合わなくてはならなくなりました。アメリカに保護してもらう体制は、米中関係の中で相対化せざるを得ないと考えています。そこへコロナが現れて、国境、国を強く意識させたのです」

 --コーポレート・ガバナンス(企業統治)を正しく行わせるための政府の役割は

 「もっと強い指導力が必要です。失われた30年がそのまま続くかどうかは、政府が日本の企業をどう導くかにかかっています。高度成長時代からの惰性のままの社長継承が変わらなければ、日本の沈滞は変わりません。私が書いた小説『株主総会』は、惰性、持ち合いによる疑似オーナーシップによる会社継承が限界に達していたことを示していたのだと、最近改めて感じました」

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