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【新書のきゅうしょ】今の時代を象徴する「思想的雰囲気」とは何か? 大塚久雄著「社会科学の方法-ヴェーバーとマルクス-」(岩波新書、1966年) (1/2ページ)

 自宅本棚の隅に眠っていたのが『社会科学の方法-ヴェーバーとマルクス-』。巻末には「1982年10月21日購入、26日読了」と付記がある。

 私の学生時代は、大学がすっかりレジャーランド化した80年代初頭だった。若者の必携書は「資本論」でなく「POPEYE」「ぴあ」のカタログ誌類だったのに、本書を手に取ったその理由をすっかり忘れていた。

 専攻する法学部の科目には前向きになれなかったが、偶然見たゼミの案内で西洋法制史の教科書に指定されていたのがヴェーバーの「都市の類型学」。あの頃メディアで活況を呈していた「都市論」に触発され、俄然興味を持ち参加した。その流れで参考文献として購入したと思い出す。

 カタログ文化隆盛の中でも、マルクスやヴェーバーの名前程度は気になる。正直、その学説あらましも把握していなかったし、分かった風な知人が「下部構造が上部構造を…」などと言いだすと、どう応じればよいか分からずおろおろした。今ならネットのまとめサイトを頼りにやりすごすのだろうがそんなものもない。「とりあえず知っておかないと…」といった関心もあった。

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