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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】膵がんの早期発見とゲノム医療に尽力 東広島医療センター消化器内科医長・南智之さん

 広島県のほぼ中央。灘や伏見と並ぶ酒処として知られる西条を擁する東広島市は、人口およそ20万人の文教都市だ。

 JR山陽本線寺家駅から車で5分ほどの場所にある東広島医療センターは、24の診療科と401の病床を持つ、地域の拠点病院。

 この病院で消化器内科医長を務める南智之医師は、診断学、特に内視鏡診断に強い興味を持ってこの道に進んだ。胃カメラや大腸内視鏡検査はもちろん、胆道、胆のう、膵臓疾患の診断と治療を得意とする。

 予後の悪さで群を抜く膵がんの早期発見に向けた先進的な取り組みで国際的な知名度を持つJA尾道総合病院での豊富な経験を、東広島で有効活用するのが現在の目標という。

 「赴任して3年。新型コロナの影響もあって地域の開業医の先生方との連携はこれから本格的に進めていく段階ですが、早期発見に向けた設備は整っているので、ぜひ進めていきたい。尾道での経験は大きな自信になっています」

 もう一つ、今後取り組んでいきたいと語るのが、ゲノム医療だ。患者の検体からゲノム診断を行い、遺伝子変異に合った薬を探して有効な治療に結び付けていくこの治療法は、条件付きで健康保険も適用されてはいるが、膵がん治療の領域ではいま一つ普及が進んでいない。

 「当センターはこの4月からがんゲノム医療連携病院に指定され、大きな役割を担いました。元々治療法の少なかった膵がんに対して、治療法が増えることの意義は大きい。他科や他院の先生方とも情報を共有しながら、地域の患者さんに貢献していきたい」

 柔らかい語り口に温厚な性格がにじむが、一方で高度な医療への熱い思いも確実に伝わってくる。地域医療の底上げに向けて、南医師の果たす役割は大きい。

(長田昭二)

 ■南智之さん(みなみ・ともゆき) 1977年、和歌山県生まれ。2002年、広島大学医学部卒業。同大学病院、三次地区医療センター、JA尾道総合病院等に勤務を経て、18年から現職。日本内科学会総合内科専門医・消化器病専門医、日本胆道学会指導医・学術評議員、日本膵臓学会指導医他。医学博士。趣味はランニング。

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