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【BOOK】人間味あふれる日本がウイグルを救う 『在日ウイグル人が明かすウイグル・ジェノサイド―東トルキスタンの真実』 (1/3ページ)

 中国による新疆ウイグル自治区のウイグル族への人権弾圧が多く取り沙汰され、過去に例をみないほど、国際社会の注目を浴びている。著者は、日本在住のウイグル人講師であるムカイダイスさん。いまだウイグルへの理解に乏しい日本人に一石を投じようと「入門書」をしたためた。故郷への思いや、中国によって強制収容所の惨状などを伝え、日本人に強く共闘を訴えかけている。 文・海野慎介

 --米政府が今年1月に中国による人権弾圧を「ジェノサイド」(民族大量虐殺)と認定するなど、ウイグル人が注目されています。執筆のきっかけは何ですか。

 「日本に来てからウイグルの状況を日本国民に総合的に伝える一つの入門書がないことに違和感を覚えていました」

 ◆入門書で現状を

 --現在の新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)は、18世紀まで独立国家で清朝の時代に植民地化に入ったとされます。その後も独立も試みられましたが、圧政への道は阻めませんでした

 「清朝であれ、国民党であれ、共産党であれ、ウイグル族が侵略政権を認めたことは1回もありません。ずっと『魂』の部分で戦ってきました。1933年と44年に2回独立を勝ち取りましたが、戦後に独立政権首脳が搭乗する航空機が突然、事故に遭いました。リーダーの不在が知らされぬまま、ウイグルに解放軍が入り、知らされた4カ月後には、ウイグル人はすでに身動きがとれない状況だったのです」

 --メディアで耳にする「少数民族のウイグル族」という表現にも違和感を覚えたようですね。

 「世界ウイグル会議の調査で、ウイグル人は2000万人程度いるとされます。『新疆ウイグル自治区の少数民族』といわれますが、マスメディアが中国の基準で報じていることが不思議でした。現地では中国人こそ少数民族です。調べられることもなく、中国の言い分が通ることに対し、思っていることを書こうと思ったのもきっかけです」

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