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【BOOK】人間味あふれる日本がウイグルを救う 『在日ウイグル人が明かすウイグル・ジェノサイド―東トルキスタンの真実』 (2/3ページ)

 --メディアでも強制収容所の様子が伝えられるようになりました。本書でも目を覆うような出来事が紹介されます

 「私は文中に出て来る収容された人たちのほとんどと話したことがあります。若くてきれいな女性を連れ出しては、中国人の客を相手にしたビジネスとしての性的虐待や臓器売買なども聞かれます。築いてきた文明に対する野蛮な攻撃です」

 --交友のあった方に、心配されていることもあるようですね

 「私が親しくしている新疆大学の世界的にも高名な民俗学の教授がいました。先生は3年前から行方不明なんです。日本のウイグル学者とも交流していました。米国の研究者は『世界のためにもなる学者を解放すべき』『再教育と称して何を教えるんだ』と声を挙げましたが、日本の学会からは声が聞こえてきません」

 --ウイグル人と日本人には通じ合うものもあるといいます

 「トルコ民族は、ずっと日本が好きなんです。大和魂の部分や、トルコ民族とイスラム教と対立が過去にないからです。イスラム世界の価値観を、日本は根本的に認めて許容してくれている。ウイグルからは38年に東トルキスタンの将軍も来日しています。一緒に来た兄弟の墓も多磨霊園のムスリム墓地にありますが、東トルキスタンの青天星月旗が据えられているのに感激しました。故人を大事にする文化も、われわれが日本を敬う一つの要素です」

 ◆世界発信が重要

 --日本に求められるウエートも高いですね

 「49年の共和国侵略で、『新疆ウイグル自治区』になりました。中国は日本から過去に『侵略された』と騒ぎますが、日本はなぜ、『それならばウイグルはどうなんだ』と主張できないのでしょうか。イスラーム圏で、日本は中立的で信用されています。日本がウイグル問題を世界に発信するのは重要です」

 --危機に立つウイグル文化ですが、詩を読んでも魅力が尽きません。

 「人間の尊厳や大地への愛をうたう文化です。日本の文化と本質は似ていると思います。また、いかなるときでも政治や国家の玩具にならないよう自らを戒めてきた文学です。たった70年の共産党支配は、人間をモノ扱いにします」

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