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【BOOK】人間味あふれる日本がウイグルを救う 『在日ウイグル人が明かすウイグル・ジェノサイド―東トルキスタンの真実』 (3/3ページ)

 --日本人にも応援を望む人はいます。できることはあるのでしょうか

 「ウイグル語を大学で教え、ウイグル文学を日本で残せるよう応援してほしいです。これは日本でもできるはずです。ウイグルが直面する問題から、目をそらさず、言語、文化の面で助けてほしい。人間味のある日本こそ、何よりも中国が恐れる存在なのです」

 ■『在日ウイグル人が明かすウイグル・ジェノサイド―東トルキスタンの真実』(ハート出版・1540円)

 自身の生い立ちなど自叙伝的要素から始め、過去に独立国家を樹立していた東トルキスタンの歴史や、中国の領域下「新疆ウイグル自治区」の政治、戦前日本との意外な関係など、ウイグル人の肉声が生々しい。知識を深めたい人の入門にもなる。現在、国際情勢でも重要な課題となり、欧米諸国が糾弾する強制収容所に入ったウイグル人同胞を個別に取り上げながら、拷問や暴行など各自が受けた弾圧の実態がリアリティーを持って語られる。最終章では著者が専門とするウイグルの詩も紹介され、日本人と感性の近い、東洋が生んだ華麗な文化の一端に触れることもできる。

 ■ムカイダイス ウルムチ出身のウイグル人。千葉大学非常勤講師。上海華東師範大ロシア語学科卒業後、来日し、神奈川大歴史民俗資料学研究科博士課程修了。元放送大学面接授業講師、元東京外国語大学オープンアカデミーウイグル語講師。世界文学会会員。著書に『ああ、ウイグルの大地』、『ウイグル新鋭詩人選詩集』(左右社出版、2冊とも河合眞共訳)などのほか、訳書も多数。ウイグル語訳も手掛けるほか、ウイグル語のネット雑誌『探検』にて詩や随筆を多数発表している。

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