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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】巨大な岩の裂け目を抜けると…冒険心そそる「エル・カズネ」 『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』のロケ地となったヨルダン「ペトラ遺跡」 (1/2ページ)

 私はしばしば映画のロケ地を訪ねる旅に同行しましたが、中でも『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のロケ地となったペトラ遺跡は、最も感銘を受けた場所の一つです。特に高さ80メートルの絶壁がそびえる「シーク(峡谷)」と呼ばれる巨大な岩の裂け目にできた細道を歩き、前方に「エル・カズネ」が見えた時には、ハリソン・フォード演じる考古学者インディアナ・ジョーンズのごとく、宝物を探して冒険している気分でワクワクしました。

 また、「シークには訪れる人を魂の内部に導く」という宗教的な意味があり、両側の壁には運河の跡とともに祈祷(きとう)用の碑や彫刻、霊石なども残っていて、岩肌も日の当たる角度によって刻々と色が変わるので、シークは細い通路というより、幻想的な参道でした。

 ペトラ遺跡は中東のヨルダンにある世界遺産で、ペトラとは、ギリシャ語で『崖』を意味しており、2000年以上も前に、この地に定住したアラブ人の一族ナバテア人が切り立つ岩壁を削って造った「隊商都市の遺跡」です。この地はかつて、東西の古代文明を結ぶ要衝の地となり、交易で栄えた富でさまざまな建物が造られたのですが、赤褐色の巨大な岩を彫り抜いて造られた「エル・カズネ」も、一見すると古代ギリシャ・ローマ風の神殿ですが、どこかエキゾチックな東方文化とヘレニズム的要素が感じられます。

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