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【S列車で行こう シルバーマル“得”ぶらり歩き】よみがえるSLの記憶 震災からの全線再開を記念「常磐線展」

 東京・汐留に再建された旧新橋停車場の鉄道歴史展示室で6月27日まで開かれている「常磐線展」(入場無料)を見に行った。東北出身の筆者にとってとても懐かしい展示だからだ。

 シルバーパスで都営三田線に乗り、最寄り駅は春日乗り換えの都営大江戸線汐留駅だが、少し遠回りなので内幸町まで行く。そこから新橋駅まで歩き、JRのガードをくぐればすぐに旧新橋停車場だ。

 展示室に入ると、改めて子供の頃から学生時代を通じて常磐線のお世話になってきた過去がよみがえってきた。ポスターにもあるが、1960年代のSLに引かれた急行「ゆうづる」、気動車特急「はつかり」の写真を見ただけで涙が流れそうだった。

 筆者は小学校の頃から時折東京に出てきたが、当時は東北線回りと常磐線回りの2つの選択があった。子供心に山の中ばかり走る東北線回りより海岸が見られる常磐線回りがうれしかった。SL時代はあの特有のススの匂い。そして、はつかりの登場をどんなに近代的に感じたか。また、途中どこかの駅で交流と直流が入れ替わるという不思議な体験…。

 今回の展示会は、2011年の東日本大震災で不通になっていた常磐線が9年ぶりに全線再開した昨年から1周年を記念した企画展だ。もともと常磐線は常磐炭田の石炭輸送のために始まったが、やがて東北線のバイパス的な役割を担い、今にいたる130年にわたる歩みを振り返っている。おかげで個人的な思い出もよみがえる感慨深い展示だった。

 満足して都営大江戸線汐留駅からシルバーパスで帰路に着いた。 (いくちゃん)

 【旧新橋停車場鉄道歴史展示室】港区東新橋1の5の3、10~17時、月曜休館。駅舎は1872年開業の日本最古のターミナル駅を忠実に再現、発掘された遺構をもとにプラットホームや軌道も再現している。

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