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【ドクター和のニッポン臨終図巻】フィリップ殿下 人工股関節置換手術、運転免許の自主返納…普通の高齢者と同じエピソードに親しみ (2/2ページ)

 フィリップ殿下はご高齢になってからも精力的に活動をされていましたが、90歳頃からは入退院を繰り返していました。

 2018年には人工股関節置換手術を受けていましたが、その後も自分で車を運転。翌年、衝突事故を起こして運転免許を自主返納しました。人工股関節置換手術とか、免許の自主返納とか、普通の高齢者と変わらぬエピソードになんだか親しみが沸いてきます。

 日本の皇室も、英王室もそうですが、体調や結婚問題までプライベートな事柄を報道されるのは、ご本人にすれば甚だ理不尽でしょう。しかし、その人間的なエピソードに触れることで国民には「我々と同じなのだ」と、良い時代も悪い時代も共に生きている感覚があります。こうした開かれた王室を実現させたのもフィリップ殿下の尽力によるものだったとか。

 以前訪日の際には『徹子の部屋』にも出演されたというから驚きです。

 「国民の祖父」とまで呼ばれた殿下の葬儀は国葬とせず、コロナ禍を配慮し参列者を30人に限定。かつて、エリザベス女王と結婚式を挙げたウェストミンスター寺院でしめやかに行われました。「献花のかわりに慈善団体に寄付を」という王室の声明に、心を打たれました。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。この連載が『平成臨終図巻』として単行本化され、好評発売中。関西国際大学客員教授。

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