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【BOOK】「男と女」「東京と地方」「スポーツカーと軽トラ」認識のギャップが面白くて 免許を持たない著者が「クルマ」を“料理”してみたら…篠田節子さん『田舎のポルシェ』 (2/3ページ)

 --表題作の「田舎のポルシェ」では、東京と地方の認識ギャップが読みどころのひとつ

 「(主人公の女性の出身地である)八王子は東京都といっても、いろんな顔がある。街中には新住民もいれば、旧市街も残っている。周辺部ではニュータウンや物語の舞台のような『首都圏の田舎』もある。それなのに地方から見れば、ひとくくりに『八王子も東京』になってしまうところが面白いと思ったのです」

 --岐阜の男が二言目には女性を「東京の女」と呼ぶのがおかしい

 「『東京は特別なんだ』っていう思いですね。それが(東京・八王子出身で今も住民である)私には奇異に映ります。昔、地方の方からよく聞かされた“誤解”は『東京へ行けばフツーに芸能人が街を歩いていると思った』という話です(苦笑)。テレビに映る東京は渋谷や銀座が多いですからね。だけど、実は東京にも“田舎”があって(今作のように)都市型農業をやっているところもあるわけですよ」

 --2人は軽トラックに乗って岐阜-東京の往復1000キロを旅する

 「新型コロナ禍の前だったと思いますが、この物語を書くために、軽トラックに乗せてもらった。高速道路で実際に荷物も積んで高速道路を100キロ近いスピードの感覚を体験したのです。軽で飛ばすと運転手の方は『直進安定性が悪くなっちゃう』なんておっしゃってましたが、私は免許を持っていないせいか、怖いとは感じませんでした。風を切る音は確かにすごかったですけど」

 --軽トラに抜かれたスポーツカーとトラブルになる場面も。ちょうど“あおり運転”が話題になっていたころでしたね

 「『高速でフェアレディZが軽に抜かれたらどうなるでしょう?』って(運転手に)尋ねたら『そりぁ怒るだろうね』って。それで、あのエピソードができました」

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