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【医療 新世紀】厚労省1月に承認「ムコ多糖症2型」向け新薬「ヒュンタラーゼ」 脳への直接投与は世界初、知的発達の遅れに改善期待 (1/2ページ)

 不要な物質が分解されずに体内にたまってしまう「ムコ多糖症2型」という先天性の希少疾患に対する新しい治療薬が今年1月、厚生労働省に承認された。この病気の薬としては世界で初めて、脳に直接投与する。知的発達の遅れなど、患者の約7割にみられる中枢神経症状の改善につながることが期待されている。

 ▽5万人に1人

 ムコ多糖症は、生まれつきの遺伝子異常で特定の酵素が足りないため、全身の細胞にムコ多糖という物質が蓄積し、発達の遅れや機能の低下などが起きる病気で、10代で寝たきりになることもある。発症頻度は約5万人に1人とされる。

 根治療法はなく、不足する酵素を点滴で補充する治療法をできるだけ早く始めることで、呼吸器の障害や肝臓の肥大といった症状の改善を図る。

 一方、人体には、脳を異物から守る「血液脳関門」と呼ばれる仕組みが備わっており、血管に酵素を入れても脳の細胞にはなかなか届かない。このため知的発達の遅れや、それまで出ていた言葉が出なくなるといった退行現象を抑えることはできなかった。

 ▽医師主導で治験

 国立成育医療研究センター臨床検査部の奥山虎之統括部長が「何か手だてはないか」と考えたのが、頭皮の下に医療器具を埋め込み、脳の中心にある「脳室」へ酵素を直接投与する方法だ。

 だが、ムコ多糖症の薬は国内では製造されていない。奥山さんは韓国人医師から韓国の製薬企業「GCファーマ」を紹介してもらい、2016年から日本で医師主導治験を始めることができた。

 治験では2~6歳の患者計6人に対し、4週間に1回の頻度で3年間、脳室内に薬を投与した。すると、3歳になる前に治療を始めた3人には、発達の遅れや退行現象が見られなかった。この結果を基に昨年、厚労省に承認申請が行われ、今年1月に認められた。販売名は「ヒュンタラーゼ」になった。

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