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【罹患率1位 大腸がん予防最前線】脂質異常症治療薬「スタチン」にも予防の可能性 心筋梗塞や脳梗塞に加え“一石三鳥”の研究進行 (1/3ページ)

 低用量(1日100mg)のアスピリンが、大腸がん予防につながる可能性について前回紹介した。大腸がんが高発する家族性大腸腺腫症患者に対する研究で、低用量アスピリンが、大腸がんを発症しやすい腺腫を抑制することが示された。腺腫は、大腸がんになるポリープの一種で、予防薬の開発が急がれている。

 「がんゲノム医療が進展すると、大腸がんのハイリスク群の方々を早期に発見することができます。しかし、現在、がん予防薬はありません。ハイリスクの人たちをどうするか。定期的に大腸ポリープを切除する一方で、予防薬を開発することが重要だと思っています」

 こう話すのは、京都府立医科大学大学院医学研究科分子標的予防医学の武藤倫弘教授。先の低用量アスピリンの研究を含め、がん予防の薬剤医学の発展に尽力している。

 「私たちは、大腸がん予防薬について、既存薬でのスクリーニングによる実験体制を確立し、候補薬剤の研究を進めています。糖尿病や脂質異常症は、大腸がんリスクを上げるため、それらの治療薬も大腸がん予防の候補になります。実際に動物実験ではよい結果が出ています」

 たとえば、脂質異常症の治療薬「スタチン」は、血中のコレステロール値を下げる薬で、心筋梗塞などの発症リスクも下げることが知られている。この「スタチン」が、大腸がん予防に寄与する可能性を秘めているという。長期間の薬の服用は副作用の懸念はあるが、一方で生活習慣病の薬は長期にわたる服用が当たり前のように行われている。

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