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【罹患率1位 大腸がん予防最前線】腸内細菌が作り出す「酪酸」に予防のカギ 長寿で知られる京丹後市データ (1/2ページ)

 大腸がんは、腸内細菌と関係が深いといわれる。中でも「酪酸(らくさん)菌」は見逃せない。新型コロナウイルス感染症でも、腸内に酪酸菌がたくさんいると感染しにくいといわれ、注目を集めた。

 「腸内細菌叢(そう=腸内に生息する多種多様な細菌群)で酪酸菌が少ないと、大腸がんやインフルエンザなどの感染症になりやすいことは知られています。私たちの研究で、健康長寿にも役立つことがわかりました」

 こう説明するのは、京都府立医科大学生体免疫栄養学講座の内藤裕二教授。2017年、長寿で知られる京都府京丹後市の「京丹後長寿コホート研究」の住民を対象に、京都市内の住民との腸内細菌叢の違いを調べ、京丹後市の人々は、酪酸菌が多いことを突き止めた。

 「京丹後市は、100歳以上の人口が全国平均の2・7倍。糖尿病などの生活習慣病や大腸がん、インフルエンザにかかる人も少ない。歩く速度も早く自立している人が多い。そのカギを握るのが酪酸菌だったのです」

 酪酸菌が腸の中で作る酪酸は、短鎖脂肪酸という“酸”の一種で、乳酸菌が作る乳酸や、ビフィズス菌が作る酢酸も短鎖脂肪酸の仲間だ。わかりやすくいえば、酪酸菌も善玉菌の一種になる。もちろん、酪酸菌といっても、たくさんの細菌の種類がある。京丹後市の人々の腸内細菌叢では、酪酸菌を作り出す4種類の酪酸菌が多く見つかった。

 「酪酸は腸のぜん動運動のエネルギー源で、大腸の粘膜や免疫機能にとっても欠かせない成分です。結果として、大腸がん予防はもとより健康に役立つといえます」

 腸内細菌が作り出す酪酸は、大腸がん予防などさまざまな健康に寄与するという(別項参照)。ならば、乳酸菌飲料のように、酪酸菌もたくさん含んだ食品を毎日食べれば大腸がん予防や健康長寿につながるのだろうか。

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