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【医療 新世紀】膵臓の切除部位で変わる「糖尿病の罹患リスク」 2型糖尿病の発症解明にも期待 九州大・小川佳宏教授のチームが発見 (1/2ページ)

 がんなどで膵臓(すいぞう)の一部を切除すると、血糖値を下げるインスリンの分泌量が減って糖尿病を発症しやすくなる。九州大の小川佳宏教授(内分泌・代謝学)の研究チームは、切除部位によって糖尿病のなりやすさに差があることを確かめた。どうやら腸内細菌の変化や、膵臓細胞の“疲労度”が関係しているらしい。小川さんは「手術後の患者さんの生活管理に役立つ。2型糖尿病の発症解明にもつながりそうだ」と話す。

 ▽沈黙の臓器

 膵臓はおなかの中にある長さ20センチほどの細長い臓器。食物を消化する膵液や、血糖値を調節するホルモンを分泌する。膵臓のベータ細胞で作られるのが血糖値を下げるインスリン。分泌量が減ったり働きが弱まったりすると糖尿病につながる。

 膵臓がんは症状が出にくく早期発見が難しい。肝臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれる理由だ。

 手術方式は腫瘍ができた部位によって異なる。「膵頭十二指腸切除」はつながった十二指腸や胆管ごと膵臓の頭部を大きく取り除く。

 体部や尾部を脾臓と一緒に取り除く「膵体尾部切除」は、体への負担が比較的軽いという。いずれの手術も残りの膵臓が半分近くになるため、インスリンの分泌量が減って糖尿病になりやすいと考えられていた。

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