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【BOOK】「地下鉄サリン」「和歌山カレー」…“あの事件”の打ち明け話 警視庁元科学捜査官・服藤恵三さん『警視庁科学捜査官』 (2/3ページ)

 --そうした話はこれまで報じられなかった

 「話したのは、退官後ですからね。あるとき講演会の2次会で、『実は…』と持ち出したらすごい反響がありまして。本を出すときはこの話を書こうと思ったのです」

 --捜査員が落とした(自供させた)ことになっている

 「そうですね。(態度が変わった段階で)私は調べ官と交代し、実際に自供したのは、捜査員の前ですから。私は刑事でもありませんし、悔しさなんてありませんよ。ただ、(土谷元死刑囚は)その後の供述も化学反応式や図に書いてきたから捜査員には分からない。結局、全部私へまわって来る。“キャッチボール”を繰り返したわけです。だから(実際は)ちょっと違うのかな、とは(苦笑)」

 --捜査幹部からは土谷元死刑囚が落ちたときの様子を聞かされた

 「当時の捜査一課長、寺尾正大さんです。『土谷が落ちました。警視庁にはすごい人がいる。私がやったことはみんなわかっている。だったら、黙っていてもしようがない、と言って、しゃべり始めた』ということでした。(人事面や組織の壁などで)悔しい思いをしたこともありましたが、結果を残せたのも寺尾さんや、私を理解してくださった上層部の方々が場所を与えて環境を整えてくれたおかけです」

 --警察官の身分である科学捜査官となって派遣された和歌山カレー事件(1998年)では決定的な仕事を残した

 「当初は、青酸化合物だとされていたのですが、症状から私はヒ素を思いつきました。警察庁からの要請で和歌山へ行くことになり、その通りにヒ素が出たのですが、検出量を和歌山県警が教えてくれない。『部外者だから』と言われたときはショックでしたね。初めてのケースで、戸惑いもあったのでしょう」

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