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【医療 新世紀】患者主体の治療法選びサポート カルテ情報の共有で医療の質向上 群馬大・小松康宏教授が提唱「共同意思決定(SDM)」 (1/2ページ)

 医療の進展によって同じ病気でも複数の治療法が選べるようになった。ただ仕事や食事などその後の生活が左右されることもあり、どれが最善かは人によって異なる。患者の難しい選択を、医師が一緒になって検討しようというのが「共同意思決定(SDM)」の考え方だ。普及を進める群馬大の小松康宏教授(医療の質・安全学)は「大切なのは医療者の共感と、対話を通じた選択支援だ」と語る。

 ▽人工透析

 小松さんはもともと腎臓内科が専門だ。糖尿病などで腎臓が働かなくなる慢性腎臓病の国内患者は約1330万人。人工透析を受ける約34万人の95%が「血液透析」を選ぶ。ベッドに寝て腕から血を抜き、老廃物を装置で除去して体に戻す。1回4時間、週3回の通院が必要。「高齢だと体力を消耗する。帰宅後に寝込んでしまう人もいる」という。

 一方で「腹膜透析」という選択肢もある。カテーテルでおなかに透析液を入れて腹膜から老廃物をしみ出させ、数時間後に新しい液と交換する。自宅でできて通院が少なく、自己管理しながら仕事も続けられる。ただ腹膜透析を選ぶ患者は全体の3%にとどまる。

 ▽選択肢

 小松さんは「世界的に腹膜透析は1割程度。米国や中国では増加傾向にある。日本の医師は患者さんに十分な選択肢を示せていない」と話す。

 腹膜透析にはデメリットもある。カテーテルが体に付いたままで、自分で透析液を交換する。5~10年で腹膜の働きが弱まると血液透析に移行せざるを得ない。

 それでも「自由な時間が増え、疲労が少ないのがメリットになる患者も多い」と小松さん。長年苦しみながら血液透析を続けてきた患者が腹膜透析に変えて生活の質が改善した例もある。

 2020年度からは患者に腹膜透析や腎臓移植の選択肢をきちんと説明することが保険診療の対象となった。小松さんは「患者さんと一緒に考えながら、本人に最善の治療を選ぶことが大切だ」と話す。

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