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【BOOK】「100万回の墓参りより、本を書くことで思い出したことがいい供養に」 毒蝮三太夫さん『たぬきババアとゴリおやじ 俺とおやじとおふくろの昭和物語』 (1/3ページ)

 俳優でタレント、稀代の毒舌家の毒蝮三太夫を育てた「たぬきババア」と「ゴリおやじ」。戦前から戦後の激動の時代を生き抜き、生きる知恵と家族の大切さを教える昭和の物語だ。「ジジイ、ババア」と毒づきながら、両親への思いを話し始めた。 (文・高山和久/写真・飯田英男)

 

 --文字通り、昭和の親子物語です

 「オレの話の中にはおふくろ(石井ひささん)やおやじ(石井正寅さん)がよく出てくるじゃない。時代も昭和から平成、令和と変わって、明治生まれのおやじとおふくろに焦点をあてれば、遠くなっちゃったその時代に遡(さかのぼ)れると思ったのがひとつ。また、“この親にしてこの子あり”というような感じの話だから、おやじやおふくろを思い出すのはいいことだと思ったのがひとつだね。100万回の墓参りより、本を書くことで思い出したことがいい供養になったんじゃないかな」

 --超個性的な両親です

 「何も足さない、何も引かない、ありのままの話を書いただけ。おやじとおふくろは読み物の主役になろうと思って生きていたワケじゃないんだけど、まあ、ユニークな親だと思うよ。腕のいい大工で口より拳固が先に出るおやじと、生粋の江戸っ子で料理がからッ下手(ぺた)のおふくろ。貧乏だけど一生懸命おもしろおかしく生きていたんじゃねえか、とつくづく感じたね」

 「両親のことを思い出すのが、オレの回想法(=認知症予防の心理療法)になったよ。おふくろが75歳、おやじが79歳で旅立って、オレは85歳。両親以上に長く息しているんだから不思議。でも、親のことを話したり書いたりするときは、オレは小学生のような子供の気持ちになっちゃうんだよ。長生きっていうのは変なもの。過去ってえのは歴史。人生は奇天烈なもんだね」

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