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【大腸がんAI検査最前線】超微小陥凹型は熟練医師の出番 AIの感度向上に期待 (1/2ページ)

 人間の臓器で小腸に次いで長いのが大腸である。個人差があるが、平均で約1・6メートル。その大腸のさまざまな部位にがんが発症する。

 盲腸のがんの画像を見ていただきたい。内視鏡でのぞくと、盲腸の虫垂開口部の近くでわずかに淡い赤色の粘膜が認められる=写真〔1〕。「超微小の陥凹(かんおう)がんですが、この画像の段階でがんに違いないと確信しました」と昭和大学横浜市北部病院の工藤進英・消化器センター長は振り返る。

 次に検査薬のインジゴカルミン色素をかけると、陥凹がくっきり浮かび上がり、工藤医師の見立て通り、がん病変が確認された=同〔2〕。盲腸がんは大腸がん全体のうち6%程度と比較的珍しく、この患者は初期のがんで治療できた。逆に発見できなければ、知らぬ間に進行していた恐れがあった。

 最先端のAI(人工知能)搭載の内視鏡ソフトウエア「EndoBRAIN」(エンドブレイン)は、このような難しい症例でどこまで威力を発揮するのだろうか。

 「今回のような超微小の陥凹がんだと、AIは発見できない可能性があります。工藤医師のような超エキスパート(熟練)医師でないと見つからないかもしれない」と指摘するのは、別の消化器内科医師。

 エンドブレインのうち、ポリープやがんの発見を支援するタイプのAIでは、その検出感度は95%。もう一つ、発見された病変が、がんか良性なのかを超拡大鏡を使って区別するタイプのAIでは検出感度は92%に達する。

 「AIの検出感度が100%に近づくためには、機械学習でさらに多くの画像を読み込ませるなどの『修行』が必要です。われわれ医師がAIを鍛えていくのです」(工藤医師)

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