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【今から始めよう! 70代まで働く健康術】内視鏡的治療と腹腔鏡下手術のコラボ 体に負担の少ない大腸がん治療 コロナ禍でも「早期発見・治療」の心がけを (1/2ページ)

 患者数の多い大腸がんについて、仕事との両立を前回まで紹介してきた。今回は、体に負担の少ない治療の開発について考えたい。そのひとつが大腸がんに対する「LECS(レックス)」の研究である。

 「大腸がんの治療ガイドラインでは、内視鏡治療の適用範囲は決まっています。しかし、大腸という臓器をなるべくならば残したい。その発想から生まれたのが、内視鏡的治療と手術による治療のコラボレートです」

 こう説明するのは、東邦大学医療センター大橋病院外科の斉田芳久主任教授=写真。腹腔鏡下手術と内視鏡的治療のどちらも得意としている。

 もともと「LECS」は胃粘膜下腫瘍に対する治療法として開発された。内視鏡的治療と腹腔鏡下手術を合わせることで、胃の切除範囲を正確に捉え、最小限の切除を可能とした治療法だ。斉田教授らは、それを大腸がんでも応用しようとしているのである。

 「がんの進行具合によっては、手術は不可欠です。が、なるべくならば体に負担が少ない方が当然回復は早い。今後、仕事とがんの両立が推進される上で、低侵襲治療の発展は必要不可欠だと思います」

 斉田教授は、腸閉塞に対して筒状の医療器具で開通する「大腸ステント治療」も約30年前から行っている。進行がんなどで腸閉塞になると、以前は開腹手術が当たり前のように行われていた。しかし、体への負担が重く、腸閉塞を解消しても大腸がん治療が遅れるといったことにもつながった。「大腸ステント」は、内視鏡で留置できるため体への負担が少なく、大腸がん治療の進行の妨げになりえない。加えて、手術不適応の進行がんでも腸閉塞の治療を行うことで、日常生活を維持することが可能だ。

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