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【マンガ探偵局がゆく】「劇画」のことがわかる本 辰巳ヨシヒロの自伝『劇画暮らし』 (1/2ページ)

 これは、昨春にいただいていた依頼。もっと早くお答えすればよかったかもしれない。

 「マンガ家志望の高校生です。先日、地元の大学からゲストの先生を迎えた特別授業で、『劇画』というものの存在を初めて知りました。先生の説明だけではマンガとどこが違うのかはよくわかりませんでしたが、私より少し年長のお兄さんたちが、それまでのマンガを変えてしまった、というお話に感激しました。もう少し詳しいことを知りたくなって父に聞いたら、Webのこのコラムを教えてくれました。良い本があったら教えてください」 (マリリン)

 マリリンと名乗るからには女学生…もしかするともう大学生かもしれない。『劇画』という言葉を知らなかった、と聞いて探偵長はいささかショックだったが、「劇画ブーム」と言われたのは、もう半世紀も昔のこと。無理もないのだ。

 さて、劇画のことを知りたいのであれば、「劇画」という言葉をつくったことで知られる辰巳ヨシヒロの自伝『劇画暮らし』(本の雑誌社)がいいだろう。1935年に大阪で生まれた辰巳は51年に単行本『愉快な漂流記』(鶴書房)でデビュー。大阪の貸本専門出版社だった八興・日の丸文庫で同世代のさいとう・たかをらと短編集『影』創刊に関わる。仲間たちとマンガ表現の変革を模索し、57年12月、この新しいマンガを「劇画」と名付けたが、その後の安易な「劇画ブーム」に背を向けるように第一線を退いた。

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