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【有名人のメンタル事情】大坂なおみ選手 まずはどの程度の「うつ病」か、正しい把握を (1/2ページ)

 はじまりは「記者会見には出ない」という宣言でした。全仏オープンを目前に控えた時期に大きな話題となった、女子テニス、大坂なおみ選手(23)の話です。「試合後の記者会見に、選手のメンタルヘルスに対する十分な配慮がないから」。彼女は、理由をそう説明しました。

 世界トップレベルの選手による発言です。たちまち、スポーツとマスコミのあり方などをめぐり、議論が沸き起こりました。そんな中、大坂選手は全仏オープンを途中で棄権してしまいます。そして自らのうつ病について告白したのです。

 大坂選手の行動について、「あとから突然、うつ病だと言うのは、まさにあと出しじゃんけんではないか」と批判的な意見を述べる人たちもいます。私は専門家としてこうした見方に賛成しませんが、一般にそうとられてしまうのは、無理からぬことかもしれません。

 それはとりもなおさず、うつ病の実態が世の中に広く、正しく理解されていないことの裏返しでもあるのでしょう。今回の問題をきっかけに、うつ病に対する社会の理解が広がることを願っています。

 うつ病は、病状が重い時は家から外出することも困難で、食事を摂ることもままなりません。自宅に引きこもるケースが多いというのが現状です。電話の着信音が怖くて出られないこともしばしばあります。

 今回の大坂選手の場合は、全仏オープンの1回戦では力強いプレーを見せ、勝利をおさめました。よって軽いうつ状態ではあったものの、ゲームに影響を及ぼすほどの状況ではなかったと考えられます。

 大坂選手は2018年の全米女子オープンテニスでセリーナ・ウィリアムズ選手を破って優勝して以降、うつ病に悩まされていたとSNS等に書き込んでいます。ただこの大会の後も、試合からの長期離脱はありません。なかなか勝てない時期もあったようですが、試合にはそれなりに出続けていたので、少なくとも重度のうつ病ではなかったと私は判断します。

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