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【ここまで進んだ最新治療】直腸がんの肛門温存手術「TaTME」 2~3時間で95%の根治切除率 (1/2ページ)

 従来では永久人工肛門になるような肛門に近い直腸がんでも、近年は腹腔鏡手術によってかなり高い確率で肛門を残せるようになった。さらに腹腔鏡手術と「TaTME(ティーエーティエムイー=経肛門的全直腸間膜切除術)」という最新の術式を同時に行うことで、短い手術時間で非常に好成績の肛門温存手術が可能になってきている。

 TaTMEとは、どんな手術なのか。2013年に国内で初めてこの手術を始め、600例以上行っている国立がん研究センター東病院・大腸外科の伊藤雅昭科長が説明する。

 「いま肛門温存のために『ISR(括約筋間直腸切除術)』という手術が積極的に行われています。これは肛門を締める肛門括約筋のうち、内側にある自律神経の働きで締まる内肛門括約筋の一部もしくは全部を切除し、外側にある自分の意思で締めることができる外肛門括約筋を残す手術です。これまで主に腹腔鏡手術で行われてきましたが、同時に肛門からも腹腔鏡を挿入してISRを行うことがTaTME導入により可能となりました」

 つまり、おなか側とお尻側の2つの腹腔鏡モニターを見ながら、トンネルを掘るように双方から同時に直腸を切除、再建する方法。そのため5人の外科医が2チームに分かれて行う。10年から欧州を中心に普及している術式だが、国内の普及率はまだ約5%程度とされている。

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