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【ここまで進んだ最新治療】直腸がんの肛門温存手術「TaTME」 2~3時間で95%の根治切除率 (2/2ページ)

 従来のISRの国内の手術時間は平均6~7時間かかっているが、肛門温存手術のほぼ全例をTaTMEで行っている同院では2~3時間内で手術が終わるという。

 肛門はおなか側から見ると、最も遠い骨盤の深いところにある。肛門からアプローチするTaTMEは、それだけ周囲の神経や臓器にダメージを与えず確実にがんを切除することができるわけだ。

 「TaTMEの根治切除率は95%です。肛門温存は、便が硬いと十分トイレに間に合うが、ゆるいと多少漏れることがあるのがゴールです。7割の人はある程度満足のいく排便機能を維持でき、うち3割はほとんど漏れが起こりません。また、腹腔鏡手術のみでは15~20%に排尿障害がみられましたが、それも5%くらいに抑えられます」

 TaTMEは高度な技術とチーム連携が必要になるので、伊藤科長らは普及のため全国の医師へのセミナーや同院でのトレーニングを積極的に行っている。

 また、国立がん研究センターが認定するベンチャーが国産の腹腔鏡手術支援ロボットを開発しており、近々、承認申請を出す予定になっている。このロボットを使っておなか側からアプローチすることで、5人の外科医が必要だったTaTMEが3人の外科医で実施できるようになるという。 (新井貴)

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