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【ノンフィクションで振り返る戦後史】来日時のローティーン女子の熱狂ぶり 9千万円警備計画 1966年を描く 「ザ・ビートルズレポート」(竹中労編著、白夜書房) (1/2ページ)

 このレポート、元はビートルズが来日した1966年に雑誌「話の特集」別冊として発売され、後年、白夜書房で再刊したもの。竹中労が同誌編集長の矢崎泰久に企画を持ちかけ、竹中とスポーツ紙・夕刊紙の記者5人で取材執筆した。

 コンサートの最終日が7月2日で矢崎が指定した入稿日は4日朝イチ。竹中らは神田の旅館にこもって、必死に原稿を上げる。「話の特集」のデザイナーだった和田誠も部屋の押し入れでレイアウト作業にいそしんだ。

 白夜書房版の前書きでは、五木寛之がかつて「話の特集」別冊版を読んでとりこになったと述べた。この共同執筆はゴーリキーが主唱した集団的創作の結実だとまで論じている。別冊は同誌版元だった日本社が倒産して、大部分が断裁され、ほとんど残らなかったという。

 1958年生まれの私は実は彼らの来日時の熱狂は覚えていない。ビートルズの最初の記憶は「レット・イット・ビー」発売の70年、小学6年時に近所のレコード店でジャケットに写る彼ら4人の顔写真が並ぶポスターを目撃した際のこと。既に神格化された存在で、同級生から「ホワイト・アルバム」などが如何に深淵な内容か滔々と説かれた。

 なので、このレポートで彼らの来日時のローティーン女子の熱狂ぶりには初めて接した。制服姿の女子学生がメンバーの滞在する東京ヒルトンホテル周囲で騒ぐ姿や、コンサートに出かけるのを止められたせいか、ファンの女の子たちが報道カメラの放列を向けられて顔をプログラムで必死に隠す姿等々。

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