記事詳細

【脳神経外科が明かす「脳の病気とケガ」最新事情】脳卒中の予兆として覚えておきたい「FAST」とは (1/3ページ)

 国際医療福祉大学成田病院脳神経外科に所属する専門医による最新治療連載。第2回は、血管内治療の名手として知られる脳神経外科教授の山根文孝医師が、「脳卒中の治療法と予防法」について解説する。

 「脳卒中」の正しい意味をご存じでしょうか。「卒」は「ついに」とか「終える」、「中」という字には「病にあたる」という意味があります。つまり脳卒中とは、「ついに脳が役目を終える」という状態を指す言葉なのです。これは文字から見た脳卒中の解釈ですが、医学的には「3つの病気の総称」。その3つとは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。

 脳梗塞は血の塊(血栓)が脳の血管に詰まって血流が途絶える病態、脳出血とは脳の細い血管が破れて出血するもの、くも膜下出血とは脳の動脈の別れ道などに「瘤(りゅう)」と呼ばれる血管のコブができ、それが破裂する病気です。

 脳卒中はどれも、発症後の治療は時間との闘いです。というのも、血流が途絶えると、その血管が支配する領域の脳細胞が死んでいき、一度死んだ細胞は生き返ることがないからです。

 治療法は、カテーテルという細い管を血管内に挿入して血栓を取り除く方法や、血栓を溶かす薬の静脈注射などがありますが、それらの治療の効果が出るまで、脳の細胞は死んでいくのです。少しでもそのダメージを小さくするには、1分でも早く治療を開始しなければなりません。

関連ニュース